Web3BB東京 出展者特別インタビュー:ONGAESHI

ONGAESHI人材育成・教育格差の課題を、web3技術を活用して「恩返し」の輪を

近年、web3という新しいオープンなインターネットを活用したビジネスが次々と世に出されています。Web3BB東京では、様々な業界とweb3技術を掛け合わせたサービスを提供する企業を紹介しています。

今回は、教育と人材育成において革命を起こそうとしている、IGS社のプラットフォーム/Web3事業部が開発運営を担う「ONGAESHIプロジェクト」についてご紹介します。人材育成とweb3技術を結びつけ、社会に貢献する新しい仕組みを提供しています。責任者である松原氏にお話いただきました。



ーはじめに自己紹介とプロジェクトについて教えてください。

私は、「ONGAESHIプロジェクト」の運営主体を担うIGSのプラットフォーム/Web3事業部で責任者として活動しております。 本プロジェクトでは、人材育成や転職市場においてのプロジェクトを展開しています。具体的には、講座の受講権が紐づいたNFTを「スポンサー」と呼ばれる方にご購入いただきます。そして、そのNFTを「タレント」と呼ばれる 若手の社会人に貸し出します。若手の社会人は、講座の受講権を使って、無償で講座を受講することができます。タレントが転職すると、スポンサーは人材育成の報酬をトークンで受け取ることができる、新しい仕組みです。


ーなぜ、人材育成とweb3を掛け合わせようと思ったのでしょうか。

私たちの会社は、もともとHR領域や教育事業を展開している企業で、これらの市場が分断されていることに課題感を持っていました。例えば転職の成功は一時的なマッチングだけでなく、その人が学んできたことや、さまざまな支援の成果でもあります。しかし、人材関連市場で生じる価値は教育市場には還元されません。また、若手社会人にとっては、奨学金の返済などが負担となり、リスキリングなどの自己投資が難しい場合もあります。、労働市場と教育市場をつなげることで、さまざまな理由で自己投資が難しい人材に教育機会を提供し、支援者にも価値を還元する恩返しの仕組みが必要だと考えました。

こうした背景から、私たちはNFTやブロックチェーン技術を活用し、教育分野に新しい仕組みを導入し、成長に応じて報酬を受け取ることができるシステムを提供しようと考えました。人材育成の課題解決にweb3の技術を組み合わせ、このサービスを展開しました。


ーサービス内にある「スポンサー」という方達は、どういった方達なのでしょうか。

企業の方も対象となることがありますが、基本的には個人を対象としています。教育に熱心な方々は、教育機関に寄付を行っているかもしれませんが、寄付金が尽きると教育資金が不足してしまうリスクがあります。そこで、教育に関心の低い方々にも仲間に加わってもらいたいと考えました。そこで、ONGAESHIではNFTを保有することで将来的なメリットを得られる仕組みにこだわりました。NFTの貸し出しによってインセンティブを創出することが、このNFTが効果的に機能する要素と考えています。


ー具体的にはどういう仕組みですか?

まず、スポンサーがタレントに講座受講権が紐づいたNFTを貸し出します。そのタレントが講座を修了し、企業に就職して成功報酬が発生した場合、スポンサーに報酬をトークンで還元しようとしています。支援をした人々にもインセンティブが発生するという仕組みが鍵となります。エンジェル投資家とあしながおじさんの組み合わせをイメージいただくとわかりやすいかもしれません。

-自己投資が難しい人々にとっても、その利益を享受できる環境を提供している企業はまだ多くはありません。サービスの最大の特徴は何でしょうか。

教育、転職、採用などの支援を提供する企業は増加していますが、通常は受講者が高額な費用を負担するケースが一般的です。一部の場合、補助金が提供されることもありますが、それでも実際の負担額は高額です。私たちの最大の目標は、負担を減らし、かつ持続可能な方法で提供することです。

ー最後に、今後の展望を教えてください。

タレントが講座の受講権NFTを借りて学べるアプリと、スポンサーがNFTを購入して貸し出せるアプリが2023年10月にリリースします。その後は、人材紹介の仕組みを自動化していくことや、転職希望者と企業をマッチングするシステムも作っていきたいと考えています。現在、職務経歴書の信頼性や、過去の経歴のみを基にした採用プロセスに関する課題が多く存在します。これらの問題を解決するために、来年には講座の実績を活用してマッチングできるようにしたいと考えています。

「ONGAESHIプロジェクト」はweb3の中でも社会的意義の強いプロジェクトだと思っています。web3のサービスとして画期的かつ効率的なマッチング仕組みを構築し、社会実装を実現させることを目指しています。web3の技術を社会に普及させ、新たな価値を提供していきたいと思っています。

スピーカープロフィール

松原 祥起

プラットフォーム/Web3事業部長

Institution for a Global Society株式会社

企業サイト:https://www.lp.ongaeshi-pj.jp/

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